■ 2010-06-19
■ 安部竜太郎は「師直の恋」に書いている。
「平家には、あやめをさも美しげに書いておりますが、私にはそれほどとは思われませぬ。考えてもごらんなされませ。頼政どのが十二人の中から引きわずらわれたのなら、十二人とも同じ美しさになるということではありませんか。絶世の美女とは、砂に混じった金のように、誰の目にも止まる者のことを言うのでございます」
■ 侍従がそう言って笑ったと。
■ この辺の理屈は作者の気付いたことだろう。
■ ネタ本は「太平記」なのだが、・・・
■ その元の、鵺の話は、平家物語、巻第四にある。
■ そこには「あやめ」は出てこない。
五月闇名をあらわせる今宵かな
と仰せられかけたりければ、頼政、
たそかれ時も過ぎぬと思ふに
■ こんなふうに書かれている。
■ 話が合わない。「太平記」も読んでみたくなった。
■ しかし、まあ、いいか。