■ 2012-10-01
■ 「上河」の「上」って、ほとりという意味なんだって、といきなり言う。
■ そうだよ。
■ 知ってたの、・・・
■ 知ってたよ。で、何なんだ。
■ 李白って詩人がいるでしょ。
■ 友達を送る詩があるのよ、その友達って誰だっけ、・・・
■ そんなこと知らないよ。
■ ほら、「春眠暁を覚えず」の詩を書いた人よ。
うつらうつらと はるのあさ
とりなくこえが にわでする
きのうのよるの あめかぜに
なんぼかはなも ちったかのう
■ こんなことは、暗唱していても、名前は思い出せない。
■ 本を見ると、孟浩然だ。
■ 名前からは「春暁」という詩は思い出せる。
■ それでどうした。
■ 李白の詩はね、「コウカクロウ」でその友と分かれるのよ。
■ その詩は、おそらく、・・・
故人西辞黄鶴楼
烟花三月下揚州
孤帆遠影碧空儘
惟見長江天際流
■ これだろう。題は「黄鶴楼送孟浩然之黄陵」だ。
■ 「之」って、真田広之の「ゆき」だな。
■ 友の孟浩然が黄陵に行くのを黄鶴楼で見送った、という題だ。
ようすこう さりゆくともを おくりけり
■ ・・・、ということだな。
■ それよ。この「黄鶴楼」が長江のほとりに建っていたんだって。
■ 河の「ほとり」って「上河」と書くんだって。
■ ややこしい話だ。
■ 参考
黄鶴楼 - Wikipedia
李白 - Wikipedia
黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る 李白
孟浩然 - Wikipedia
孟浩然「春暁」
■ 蛇足ながら、なぜ、「上河」が話題になったかというと、・・・
清明上河図
■ この本を予約してくれたのは、うちの奥さんだったからだ。
■ 「上」が記憶に残っていたというわけだ。
■ しかし、この李白の詩もいいが、固有名詞が入っていると、日本語の詩にはしにくい。
■ 直訳的には・・・
ほかけぶね とおくあおぞら つきるとこ
ながれゆく そらのきわまで ようすこう
■ こんな感じか。
■ 日本語の詩にするためには、意訳的にしなければならないし、・・・
■ これではこの二行が続かない、ブツキラホウの感じだが、メモ的に書いておこう。
■ ところで、「春暁」についてはどこかに書いた。
書斎にて、「春暁」
■ ここでは、・・・
はなもなんぼか ちったかのう
■ ・・・と、していた。
■ これは、・・・
花落知多少
■ ということからだったのだけれど、今、考えてみると、・・・
なんぼかはなも ちったかのう
■ この方が日本語的かもしれない。
■ まあ、どちらでもいいのだけれど、・・・